ヴラドの奮闘日記

現代日本に蘇ったドラキュラ【ヴラド・ツェペシュ】が、時代とのギャップや人間関係に日々悩みながらも奮闘する姿を、自ら書き下ろしたノンフィクション?ブログです。

第10夜 【ニュージーランド編】その参

2005-09-17
「大丈夫か?」

「痛ーい!」

「ん?日本人…なのか?」

怪我は無いようだ。

ブラセリー・ハルクがすかさず割って入ってきた。

「怪我が無いようだから良かったが、君たちスノーボードをする人は座る場所を考えなきゃ、危ないじゃないか」

怒っている。

相当、スノーボーダーに恨みがあるようだ。

「私、英語わかんない!何言ってるか、わかんない!」

こっちも怒っている。

「いやいや、ぶつかったのはこちらだ。悪かった。怪我はないか?」

日本語で話しかけた。

「え?日本の人?」

「いや、日本の人でも無いのだが…」

「あれ…?」

「ん…?」

お互いに、何か聞き覚えのある声であることに気づいた。

「ヴラちゃん?」

「へ?」

「ヴラちゃんでしょ!」

彼女はゴーグルを取った。

「貴女はゆき…さん?」

なんと、※ダイアンのゆきであった。

そう言えばゆきは、私が休暇を取る2〜3日前から風邪を引いたと言う理由で休んでいた。

「どうして、ヴラドさんがニュージーランドにいるの?」

いや、私は休暇を取って来たのだが…」

「そうなの?…すっごーい、偶然だねー」

「確かに…」

「私はね、友達がこっちにいて、いいシーズンだからボードしに来ないって誘われて…。あっ、だけどお店の人には内緒ね。休みくれないから病欠にしてるの」

「それは知っている。だが、奇遇だなぁ」

やはり、驚きを隠せなかった。

こんなところで、それも少々気になっていたゆきに出会うとは。

何かの運命であろうか。

「ヴラドさん。その人誰?」

「あぁ、紹介しよう。私の古くからの友人でブラセリー・ハルク氏だ」

「こんにちは」

ブラセリーはヴラドとボーダーの女性が知り合いであることに、少々あっけに取られながらも、

「先ほどは失礼しました。ブラセリー・ハルクです。よろしく」

「ヴラドさん。何て言ってるの?」

「あぁ、失礼したと言ってる」

「ううん。こんなところでこけてた私が悪いんだから、こちらこそごめんなさい」

ブラセリーは意味がわかったのか、会釈をして、
「では伯爵、私は人を待たしているのでこの辺で。また、近いうちにお会いしましょう」

と、言い残し颯爽と滑り降りていった。

見送る私に、ゆきは

「ヴラドさんはスキー派なのね。スノーボードはしないの?」

「スノーボードはしたことが無いが…」

「え〜、しないの〜?楽しいよ。」

「あぁ。いや、これからちょっとやってみようかな…なんて…」

結構、優柔不断である。

それから、早速レンタルボードを借りに行き、時間の余す限りスノーボーダーへの道を突き進んでいったのは、もう言うまでもない。

そこには、なんとなくハッピーなニュージーランド旅行を楽しんでいるドラキュラの姿があった。

いやいや、スノボもなかなかよいぞ♪

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