先日、やっとの事で生命を宿した私の怪物マシン「ドラ次郎」を前に、私は少々頭を悩ませていた。
食費に光熱費おまけに通信費までとなると、転生前の人間生活で蓄えた金なんかすぐに底をついてしまう事は目に見えている。
生血を吸う事が難しい為、高い輸血用血液パックを通販で購入しているし、夜行性バンパイアなので光熱費も高くつく。
その上、電話やインターネットの通信費にパソコン関連周辺機器費に消耗品が増えるのだから、たまった物ではない。
現代の領主になる為とは言え、少々無計画であったと言わざるを得ない。
「何か仕事を探さなければ」
何の資格や技術を所持していない私としては少し不安もあるが、取り敢えずネットの検索エンジンを駆使して就職情報、求人情報を探すことにした。
「医師‥看護士‥医療技術者‥薬剤師‥医療技術者の転職情報‥‥ちょっと、違うなぁ」
「建設‥設備‥不動産関連‥‥」
「科学‥バイオ‥素材関連‥‥」
「機械‥自動車‥メカトロニクス‥‥」
「デザイン‥クリエイティブ‥」
「コンサル‥経営企画‥専門職‥‥」
「なんだこれは。昼間の仕事ばかりではないか」
進化して太陽光で灰になる事はなくなったが、それでも紫外線にはアレルギーを起こしてしまう私としては、昼間の仕事は不可能である。
「ドラ次郎。夜の仕事で検索してくれ」
はい、ご主人様。…とは言わないので自分で探す。
「おっ! これだ」
【急募:勤務時間19時〜3時頃、 高収入保証、週休2日、資格不要、初心者歓迎…】
私に打って付けの仕事ではないか。
これは早速、明日にでも面接に行かなければと思い、
「ドラ次郎、このページを印刷してくれ」
「………」
そこには、黙々と夜明けまで説明書を片手にプリンターの設定をするドラキュラ伯爵の姿があった。
