3日3晩不眠不休不食不飲での格闘の上、やっとのことでプリンターを含めた全てのセットアップを完了した私は、※「完全熱処理済輸血用血液パック」の[AB型風味]を食しながら、マスターが言っていた事を思い出していた。
「伯爵、パソコンの良いところは居ながらにして、日本どころか世界各国の、所謂人間社会全体の情報を瞬時に手に入れる事が出来ることですよ。再び、領主を目指している貴方には必要不可欠のアイテムじゃないですか」
全くその通りである。
【虎穴に入らずんば虎児を得よ】と言う諺があるが、現代に生きる為には現代を知らなくてはならない。
「その為には、インターネットに接続しなきゃ駄目ですけどね」
(インターネット…接続…どのボタンを押せば良いのだ?)
《Internet Explorer》!
(なるほど!これか。これをダブルクリックすれば、再び領主への扉が開かれるのだ。)
私は迷わず、Internet Explorerのshortcutをダブルクリックした。
《インターネット接続状態をご確認下さい》
「‥‥‥。」
電話を使う事のないドラキュラ屋敷に、電話回線などあろう筈がない。
インターネット接続に電話回線等が必要であることなど知る由もないヴラド伯爵であった。
その晩、いつものように寂れたビルの一角にあるBarで、安酒をあおるヴラド伯爵の姿があったのは、語るまでもない。
